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ボランティア活動

『日本サーフィン連盟主催 東日本サーフィン選手権大会』in 新島

2004.08.27

ボランティア活動

8月27、28日に新島で行われた、日本サーフィン連盟主催の東日本サーフィン選手権にJ-FOCSのボランティアカイロプラクティック治療のメンバーとして参加しました。今回参加した先生は、草加市で開業されている原田先生、RMIT日本校の浮須先生、大学の同期で市川で開業している北條先生、RMIT日本校の学生2人の計7名で新島に向かいました。

26日の夜、竹芝桟橋を出航し新島へと向かいました。台風が近づいているなか、大会が行われているのか心配でしたが、もっと別のことを心配する必要があったことにその時はまだ、気付いていませんでした。

左から浮須先生、伊藤先生、北條先生、原田先生、尾口先生

左から浮須先生、伊藤先生、北條先生、原田先生、尾口先生

27日早朝、無事に新島に到着。小雨交じりの中、宿泊予定の民宿吉デーにチェックインし、タクシーで大会本部が設置されている羽伏浦海岸に向かいました。そこで、最初の悲劇が待っていました。大会本部に到着して辺りを見渡すと選手が一人も見当たりません。そう、台風の影響でコンディションが悪く、羽伏浦海岸では試合が行われていなかったのです。試合会場は島内の比較的安全なポイントに移され、複数の会場で行われていました。

雨脚が強くなる中、取り合えず、大会本部横に設置されているテントに活動の準備を始めました。テントには横幕もついている為、雨は何とかしのげるのですが、風が強くなるにつれて、徐々にその役割を果たさなくなっていきました。

しばらくすると、大会の進行状況を確認しに選手が集まり始めました。新潟、横浜、千葉から参加している選手に対してカイロプラクティック治療を行いました。約1時間半の間に4人の先生で3人づつ、計12人の選手のカイロプラクティック治療を行ったところで、雨が強くなり(テントが飛ばされそうになるくらい)活動を中止せざるおえなくなりました。雨はどんどん強くなり、テント内も水浸し状態。急いでカイロプラクティックテーブルを片付け大会本部に非難しました。結果的にこの1時間半の活動が、新島での唯一の活動になってしまいました。 

カイロプラクティック治療する原田先生と尾口先生

カイロプラクティック治療する原田先生と尾口先生

 

一旦、民宿に戻り、雨が止むのを待ちながら今後の行動予定を話し合いました。今日はこれ以上の活動は無理と判断し、雨も上がったので村営の温泉(水着着用)に行きました。そこには前回、全日本大会(島根で行われました)でカイロプラクティック治療をした選手や、ついさっきカイロプラクティック治療した新潟の選手も来ていて、一緒に温泉につかりました。みんな考えることは一緒ですね。

一番驚いたのは、以前同じ職場で働いていた同僚とばったり会ったことです。彼女はロングボードの選手として参加し、全日本進出を決めていました。その時は、雨も小雨で東京に向かうセスナを見送りながら、明日はどうなるかなんて考えていましたが、のんびり温泉につかっている場合ではなかったという事に気付いたのは次の日のことでした。

夜になって夕食をとり、天気予報を見ながら明日の予定を話し合いました。このままでは帰れなくなるから、「明日は活動せずに東京に帰ろう」と言うことになり、完全に撤収することが決まりました。明日の朝、船が新島に来ることを祈って眠りにつきました。

28日翌朝、早い段階で新島に乗り入れている船が全便欠航という知らせが入ってきました。台風がさらに接近し海はどんどん荒れていきます。船は大島までは来たのですが、そこから先の島々には海が荒れていて来れないとの事で、台風はさらに近づくし、帰る目処が立たないまま新島に滞在することが決まりました。

その日は、当然コンディションが悪く、大会は翌日に延期されました。特にすることもなく、部屋で多くの時間を過ごしました。海は荒れていますが、島内は晴れ間ものぞいて台風が来ているような感じは全くありません。島の天気が比較的良いのに、いつ帰れるかわからない状況に、イライラが募ってきました。

天気が良いし、セスナは飛ぶんじゃないか!!そんな希望を持って原田先生と浮須先生は飛行場に行きました。唯一の帰京手段である飛行場にはたくさんの人であふれかえっていたそうです。結局有視界が狭いということで飛行機も欠航。月曜日の夕方の予約を取り、宿に戻ってきました。

いよいよ打つ手がなくなってしまいました。後は船が来るか、飛行機が飛ぶか、どちらか早く動いた交通手段で帰るしかありません。原田先生は、翌日の患者さんの予約のキャンセルに追われながら、「昨日のうちに帰ればよかったよ。」と言いました。そう、あのときに温泉に入りながら見送ったセスナが最後の便だったのです。温泉なんかに行かずにすぐに帰っていれば・・・。メンバー全員がそう思ったのは言うまでもありません。

その日の夜は、島料理をだすお店に行きました。しかし、悪天候で船が出ない為、クサヤ以外の島料理が一つも無い状態。浮須先生はクサヤが大好きと言うことで喜んで食べていましたが、あの臭いを前にしてどうしても食べることができませんでした。そういえば、昼にラーメンを食べに行ったときもスープ切れで食べられず、食には運が無い一日でした。

翌29日、この日も早々と船、飛行機の全便欠航が決まりました。それでも少し海が落ち着き始めたということで大会は数箇所に分かれて行われていました。レンタカーで大会会場に足を運びましたが、カイロプラクティック治療を行えるようなスペースはありません。一応交渉してみたものの、この天気でテントも一つ壊れてしまい、どうにもならないと言う事で、ここで完全に活動を断念することにしました。

午後になって大会本部に置いてある、治療用のカイロプラクティックテーブルを民宿に移動しお互いのカイロプラクティック治療をすることにしました。カイロプラクティック治療で一息ついて少し疲れも取れて、気分転換になりましたが、いったい、いつになったら帰れるのか?それだけしか考えなくなってきていました。

30日早朝、島内放送で大島で折り返し予定だった船が新島まで来るという知らせが入りました。「やっと帰れる!!」急いで荷物をまとめると同時にチケットを振り返る為に港に行こうと外に出ました。すると浮須先生とレンタカーが見当たりません。もしかして返しに行ってしまったのか・・・。治療用のカイロプラクティックテーブルも運搬用のコンテナに運ばないといけないのに。携帯もつながりません。帰りの船のチケットの確保が先決ということで、しょうがないので、一人自転車で港に行くことにしました。

港に着くと向こうから来る軽自動車がクラクションを鳴らしてきます。浮須先生です。どうやら朝から温泉につかっていたらしく、地元の方との話が盛り上がって、出るに出れなかったらしいです。『まったくのん気なもんだ。』そう思いましたが、「みんな探してましたよ!!早く民宿に戻ってください」そう伝え窓口に向かいました。

チケットを取り民宿に帰るといつでも出発できる状態になっていました。民宿の方に車で送ってもらい港に向かいました。しばらくすると船が港に入ってきました。あちらこちらからざわめきと歓声が聞こえます。多くの人が島に閉じ込められていました。3日ぶりに船が港に入港したのです。皮肉なもので帰りの船に乗っている間がこの4日間の中で一番の天気でした。デッキの最上階で北條先生と酒を交わしながら東京への帰路につきました。

今回、行くことばかりを考えて、帰ることや船が台風で欠航になるなんてことは全く頭にありませんでした。その結果として4日間新島に閉じ込められる事になってしまいました。このレポートを最後まで読んでくれたあなたも、船の旅には十分気をつけてください。他にもたくさんのエピソードがありますが、今回はこの辺で・・・。聞きたい人は、カイロプラクティック新御茶ノ水外来センターで一声お掛けください。
(尾口)

「尾口先生は、いつ帰ってこれるのか?」と、カイロプラクティック新御茶ノ水外来センターの他の先生も、そして患者さんまでも心配していました。昨年10月に起こった中越地震もそうですが、自然の前では人間って無力ですね。。。当センターにも新潟出身の先生が2人おります。被災地のいち早い復興を心から祈ります。

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